2000年3月9日



2000 3/9

昨日はライブだった。
いい演奏が出来たと思う。
全く危なげないステージだった。
余裕がスポットライトの下で軽やかなステップを踏んでいた。
余裕がでかい声でがなりながらも素敵な切なさを歌っていた。
オレはビールを飲んでいい気分になって喋るだけ喋って家に帰って寝た。

今日も早起きしてバイトに行った。
いつもと同じような退屈な一日だった。
退屈はみんなの言うようにそんなに悪いものじゃないと思う。
オレは退屈は美しいと思う。
退屈というのは静かで、暖かで、少し切ない、とても素敵な何かだ。
お酒や、タバコや、テレビや、ビデオや、本や、決まりきった仕事をいじくりまわしては、オレは今日も退屈の中から詩やメロディーを紡ぎ出す。
この現実がオレには、オレのことなんかまるで眼中にないようなふりをして左斜め上を向いてフフンと笑いながらオレの隣を歩くかわいい恋人のようにさえ思える。
世界はオレに無関心みたいで、それでもオレの隣を離れずに歩いている。
だからオレも無関心を装って、愛おしくそれを眺めるのだ。
オレはかわいい世界に次はどんないたずらをしてやろうかと、今日も退屈の中をほくそ笑んでいるのだ。
二人は素敵な他人同志、こうしてる今だって同じベンチに腰掛けている。





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