2000年4月11日



2000 4/11

なま暖かい吐き気。
アルコールでもたれた重たい胃を背中のあたりに背負って、オレはふくろはぎをひきずりながら歩いていた。
いい天気だ。
陽射しは気を失う瞬間みたいに明るくまぶしいし、無関心な風はまるで空虚な暴力のようにオレをすりぬけて通りの向こうへ消えていく。
風が吹くたびに舞い散る桜の花びらが、いつか夢に見たカーテンのように空気をはらんで揺れていた。
白く遠い昼。
オレはふと窓の外を眺めているような錯覚を覚えて立ち止まった。
水平線のように平和で美しくどこまでも退屈な昼。
透明で無力で、そして懐かしい昼。
突然世界から隔絶されたように、オレは窓の向こうの景色をただ黙って眺めていた。

春がじき終わる。
今日はタンポポを見たよ。





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