2000年6月14日
2000 6/14
笑ってはいけない時ほど笑いたくなるのが人の性だ。
笑ってはいけない時ほど普段はどうでもいいような何でもないことがものすごく面白くなってしまう。
たとえば葬式で笑いをこらえたことのない人は、よく知らない人の葬式に行ったことのない人だけだろう。
大して悲しくもない場合は、それはもうきっと誰もが笑いたくなるのが葬式というものだ。
世界中どこに行ってもきっとこの「笑ってはいけない時ほど笑いたくなる法則」は通用するに違いない。
で、牛乳だ。
オレは牛乳をほんのちょっとでも飲むとたちどころに下痢してしまう、という体質の持ち主なのだが、出されたものは全部食う、という主義の男でもあるので、学校の給食に出た牛乳とかは残さず飲んだ。
牛乳というのは他のどんな液体よりもなんかこう人の尊厳をめちゃくちゃにしてしまうようなところがある。
どんなに偉い人でも牛乳で白いひげを作ったり、頭から牛乳をかぶったり、鼻から牛乳が垂れてたりすれば単なるいちマヌケになってしまう。
コーラとかビールとか麦茶だとこうはいかない。
牛乳はワカメと豆腐の味噌汁くらいの破壊力を秘めている。
頭からかぶったりした日には「今まで築き上げてきたものが全部崩れちまったよ。」と言って北国に旅に出てしまうくらいの破壊力だ。
味噌汁の場合は眉間のあたりにへばりついた一片の小さなワカメとかがその哀愁を演出するのだが、牛乳の場合は他の何者にも頼らず、ただひたすら己の力のみでそれを成し遂げてしまう。
牛乳はその業界では誰もが恐れる一匹狼なのである。
オレはよく牛乳を飲んでいる時に吹き出した。
今でもそうだ。
たまに飲むと吹く。
しかもせき込んで鼻から垂らす。
18歳の頃にスナフキンみたいになって旅をしていたのも遠からずそれが原因だったかもしれない。
ふっ、人間なんてちっぽけなものさ。
牛乳をせき込んで鼻から垂らすと必ずそんなかんじのブルーな気分になる。
さて。
で。
何が言いたいのかと言うと、「人間にとって牛乳を飲んでいる時こそが一番笑いに対して敏感になっている時なんじゃないか」ということが言いたいのである。
ためしに牛乳を口に含んでからこの文章を読んでみるといい。
面白さが7倍くらいになるから。
今日は久しぶりに牛乳を飲んで、吹いて、むせて、せき込んで、鼻から出して、自殺したくなった。
ああ。
スターの天敵だな。
牛乳は。
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