鼻くそほじり
鼻くそをほじるのは気持ちのいいものだ。
うんこをするのと同じくらい気持ちのいいものだ。
「無」で「空」で「至福」だ。
大いなる「道(タオ)」に抱かれて、
ブラフマンとアートマンがチークダンスを踊り、
マーヒーヤがフウィーヤで離脱で浄土だ。
あれはリラックスなどという薄っぺらいもんではない。
あれは悟りだ。
神との邂逅だ。
神秘体験だ。
ニカラグア火山だ。
ビッグバンだ。
真空に咲く一輪の真っ赤な凍った薔薇だ。
100万ボルトで絶対零度だ。
インド人もびっくりだ。
インド人というのは本当にめったなことでは驚かない。
突然後ろから大きな声で「わっ」っとやっても、
「ハイ、ナニカヨウデースカ。」
と平然と言う。
しかも変に訛ってる。
だからもうインド人もびっくりと言ったら本当に凄いということである。
凄い快楽なのである。
鼻くそをほじることほど気持ちのいいものが他にあるだろうか。
いや、もちろんあるだろうけど。
モストオブというやつである。
鼻くそをほじるのは最も気持ちのいいことのひとつである。
実際、オレは物心ついてからというもの今日この日まで、
鼻くそをほじらない日はただの一日もなかった。
ということで鼻くそである。
「鼻くそである」と言われても困ってしまうかもしれないが、
真面目な顔して何言ってんだと思うかもしれないが、
とにかく鼻くそなのだ。
とにかく鼻くそ宣言。
8月17日は鼻くそ記念日。
オレみたいに鼻くそをほじるのが似合うかっこいい男も滅多にいないんじゃないだろうか。
やっぱり見た目なんか気にせずにニカラグア火山なのがいいのかもしれない。
普通の男ならきっとこうはいかないだろう。
「鼻くそをほじる=不潔=気持ち悪い」となってしまうに違いない。
オレみたいに「鼻くそをほじる=不良=かっこいい」とはならないだろう。
鼻くそをほじることは歌うことだ。
ついでに言わせてもらえばうんこをすることも歌うことだ。
オレは小学校5年生までうんこの時には必ず歌っていた。
何故だかわからない。
物心のついたときからずっとそうだったのだ。
喜びと歌は密接につながりあっていたし、
うんこと喜びも同じく密接につながりあっていた。
喜びを真ん中にして、向かって左にうんこ、右に歌があった。
平均すると15分間のうんこタイム、その最初から最後まで、
トイレの中にはいいかんじにエコーのかかったオレの歌声が響きわたっていた。
小学校5年生の夏休みに42.3センチメートル(今までの最高記録)のうんこをするまでそれは続いた。
そのすさまじい体験によってそれ以来はさらにランクアップしてうんこをすること自体が歌になってしまい、実際の歌声はあまり響かなくなってしまったが。
鼻くそをほじることもそれ自体歌である。
ふんふんふーんふふんふーんである。
口元も半開きである。
よだれどぅべーである。
8月17日は鼻くそ記念日。
1999 8/17又吉究
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