徒然またよし日記・5月後半






なんか良くは分からないんだけど、
この日記才人というやつのランキングに参加してみました。
ランキングが上がれば上がるほどさらにお客が増えるというかんじの雰囲気です。
オレを助けると思って登録してみて下さい。
こういう地道な努力によってオレのライブは赤字から脱出できるのです。
きっと。


2001 5/16

自分の歌を聞いているのが好きだ。
又吉究という男は、とてもいい歌手だと素直に思う。
他の誰の歌よりも、聞いていていい気持ちになる。
自分のだから好きというよりも、もう、聞いている時にはそういうことも忘れてしまって、ただそこに流れる歌として素晴らしいと思う。
たまにコピーしたくなっている自分を発見するほどだ。
おまえの歌だよ、オレ。

自分の書いた文章を読んでいるのも好きだ。
又吉究という男は、とてもいい作家だと素直に思う。
他の誰よりも、というほどいい文章ではないが、これだけ簡単な言葉を使って、これだけ当たり前のことを書ける作家というのも珍しい。
夏目漱石が晩年になってやった講演会の原稿をまとめた本があるが、あの名著(ある人との変な約束があって、本の題名は教えてあげられない)に並ぶくらい明解な文章を(たまに)書く。
又吉究が作文で成し遂げた仕事は、とても重要で、これはぜひ後世に伝えなければならないのじゃないか。
読んでいるとそんな気さえしてくる。
ああ、なんて知的でユーモアのあるかっこいいやさしい人なんだろう。
会いたい。
この作家に会いたい。
きっとこの人ならオレの良い理解者になってくれるに違いない。
読んでいて、そんなことを考えている自分を発見するほどだ。
こりゃあんたが書いたんだよ、オレ。
週に一度くらいの頻度で自分の過去に書いた文章を読んでは、なるほどとうなっている。
この日記なども、何度も読み返したのだが、何度読んでも面白い。
どこかの文豪が書いた小説よりも、この日記の方が面白いと思うのだが、いまだにどこの出版社も本にしようと言ってこないのは何故なんだろう。


2001 5/17

やばい。
オレのコンピューターはメモリが一杯なんだそうだ。
どうしよう。
文章を書こうとしたらコンピューターが「もう一杯一杯でっせ。」と言ってきた。
いろいろゴミ箱に突っ込んでなんとかメモリに隙間を開けたが、これも時間の問題だろう。
フロッピーか何かに文章を保存して、ハードディスクからはすべての文章を削除してしまう、という方法しかないのだろうか。

ちっ。

明日はライブ。
ま、パーティーみたいなもんなので、気楽なもんだ。
久しぶりにフォークスタイルでやるよ。
来れる人は来てね。

たっぷりCD用意して待ってるよ。


2001 5/19

昨日のライブは良かったよ。
とてもいいライブだった。
ホワイトジーンズに、黄色いシャツという出で立ちについては皆に突っ込まれたが、わははは、そういうのもけっこう似合ってんだからいじゃないか、さわやかなかんじで。

CDのネット販売もいよいよ始まるし。
なんだかまたのってきたよ。

さて。

この間、電車に乗っていて物凄い事故に遭ってしまった。
そういう事を書くと、
「この間っていつだ。物凄い事件だったのならなぜその日の日記に書かなかった。ぱかたれめ。オレはだまされんぞ。いつもウソばっか書きやがって。オレはおまえのような男が一番きらいなんだ。軟派野郎め。えせミュージシャンめ。おまえなんかよりオレの方がずっと頑張っているんだ。ええい、くそっ。認めんぞ。オレは絶対おまえなんか認めんからな。何がスターだ。この厚顔無恥のポコチン顔っ。死ねっ。おまえなんか死ねっ。」
みたいなメールが来ないとも限らないのであらかじめ言い訳しておくが、あんまり大きな事件だったので、逆に日記に書くということも忘れていたのだ。
これは実際に起こったことなのである。
オレはその日も満員電車に揺られて、仕事へ向かう途中だった。
午前8時の山手線は殺人的な混み様で、カバンの中のたこせんべいも、すぐに粉々だ。
いや、別にいつもたこせんべいを持ち歩いているというわけじゃなくて、例えね、例え。
なんかこうバキバキなかんじ。
チキンラーメンがベビースターに変身するくらいの。
そこで息も絶え絶えになりながら青白くなっているオレがいたと思ってくれ。
そこらへんから物語は始まる。

最近は電車での痴漢冤罪事件が激増しているという話を聞いて、用心深いオレは手をポケットに入れていた。
「バンザイ」の体勢はすぐに疲れるし、痴漢に間違えられないためにはポケットに手を突っ込んでおくのが一番いいのだ。
痴漢に間違われて警察に捕まると、すぐに拘留されて、裁判になってしまうらしい。
ある人は自分の身の潔白を証明するために、女の人のスカートに付着していた繊維を研究所での検査にかけて、それが自分のでないことを証明したという。
裁判には勝ったが、自費での検査費用等で何百万も使ったという。
あなおそろしや。
というわけで毎朝ポケットに両手を突っ込んで、おっさん関係の密集したポイントにケツから割り込んでいくオレなのである。
「あー、このおっさんのポマードがくっついちゃったよ、やだなー。くせーなー。」
「いててててて。いてて。押すな。押すなよ。押すなってば。って。いてててて。」
「あっ、誰か屁こきやがったな。くせっ。」
その日も、次第に息も絶え絶えになり、顔色も青白くなっていくオレがそこにいた。
と。
その時だ。
キキ−、キー。
電車が急ブレーキをかけやがったのだ。
もんどりうってしなだれかかる車内。
将棋倒し状態でどんどん倍化されていったパワーがオレにどどどどっと襲い掛かってくる。
ポケットに手を突っ込んでいたオレはたやすくバランスを崩してしまった。
やばい。
このままでは転んでしまう。
何時の間にかオレの左側にスペースが出来ており、オレは今にもそこに倒れこみそうだった。
シャキーン。
(以下、スローモーションでお読ください)
オレの左目の端につり革が映った。
オレはとっさの判断でポケットから左手を抜き、倒れかけれた体勢から左手をつり革に向けて伸ばした。
(映画のマトリックスみたいなかんじでだ。)
とりゃあー。
ぐんぐん伸びる左手。
つり革は近い。

ズボッ。

一瞬の白い静寂。
はじけとぶメガネ。
ゆっくりと落ちる汗。

オレの人差し指と中指は見事にぴったり隣のおっさんの鼻の穴に突き刺さっていた。
倒れ掛かった体をしっかりと支えるおっさんの腕の中、オレは鼻の穴のぬくもりを直接指先に感じながら、隣のおっさんとしずかに見つめ合っていた。
「ご、ご、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
指を抜き、オレの服に引っかかったメガネを取って返し、満員電車、ほぼ抱き合うくらいの密着の中、オレは今にもキスしそうなほどの至近距離で、おっさんに27回謝った。
おっさんはムスッとしていたが、一言、「ああ。」とだけ言った。

実話である。
ま、多少の脚色もあるけれど。

皆も満員電車では気をつけた方が良い。
とても気まずい朝だった。


2001 5/20

今でも若いが、オレが今よりももっと若かった頃。
今でも無名だが、オレが今よりももっと無名だった頃。
オレは18歳で、沖縄にいた。
オレを一人のアーティストとして評価してくれる人はとても少なかった。
ほとんど皆無と言っていいくらいだった。
とても面白いことをやっているのに、いい歌を歌っているのに、それを理解してくれる人はほとんどいなかった。
濱田さんに会ったのはそんな頃だ。
濱田さんは、自分の耳で聞いて、自分の目で見て、オレを評価してくれた。
「キワムのあの歌な、オレの心の中のベストヒットの10位以内にランクインされてるで。」
どれだけ売れているのか、とか、世間での評価はどうなのか、とか、そんなことは関係なく、濱田さんはオレの歌を評価してくれた。
そんな大人を見たのは初めてだった。
オレ達はすぐに友達になった。

今日は久しぶりに濱田さんと会ってお喋りをした。
アイスコーヒーを飲んだり、商店街を二人で散歩したり、気がつくと7時間ほどもたっていた。
「オレ、CDができてん。聞いてな。」
と言ってCDを渡すと、濱田さんは最近発売された自分の絵本をオレにプレゼントしてくれた。
「どや、少しは強くなったんか。」
濱田さんが言ったので、
「三代目魚武濱田成夫とタメはるくらいはな。」
と言ってやった。

今頃は濱田さん、オレの歌を聞いて感動してるはずだ。


2001 5/23

昨日はポエトリーリーディングのイベントに行っていた。
8月、上野ポエトリカンジャムでちょっとしたことをやろうということになった。
一昨日は、家に帰って速攻で寝た。
なんだか最近日記さぼりがちだな。
CDの曲のすべての歌詞を公開したので、ちょっと見てみてよ。
けっこう苦労したんだぜ。

さて。

オレはよく「こんなに文章が書けるのだから、小説も書けるんじゃない?」とか、「そろそろ小説にチャレンジしてみたら?」みたいなことを言われる。
どうもエッセイストよりも小説家の方がエライと考えているような雰囲気だ。
たしかにストーリーというのは読者を引き込む力があると思うし、オレもしばしば小説を読んで楽しんだりする。
実際オレも昔は小説家ってかっこいいなと思っていろいろと物語にチャレンジしたりもした。
しかしエッセイだって良い作品なら人を感動させるし、また、読んで楽しめるものだ。
当たり前の話だが、どちらがエライということはない。

最近になってオレは自分で書くのはエッセイがいいやと、思うようになってきた。
いろんな登場人物が出てきて何かやったり、何か言ったり、事件が解決したり解決しなかったりする、というのが通常の物語なのだろうが、オレは自分の考えを喋るのにそんなまだるっこしい方法はとりたくないのだ。
おそらく良い小説家というのは、自分の考えを喋りたいなどとは思っていないだろう。
考えはたしかに表れてしまうけれど、それよりもある物語を提示したいという気持ちがほとんどなのだと思う。
物語自体がひとつの考えであるというふうに考えているのではないだろうか。

面白い物語を作るのは、とても大変な作業だと思うが、それと「面白く考えること」は全く別なことだ。
エッセイと小説は同じ言葉という道具を使っていながら、サッカーと野球ほどに違う。
もちろん両方を自由自在にこなしてしまう作家もいるが、良い小説家が良いエッセイを書けるとは限らないし、また、良いエッセイストが良い小説を書けるとも限らない。
誰でも言葉を使って考えるのだから、考えを実況中継すればいいだけのエッセイという読み物は、誰にでも書ける簡単なものだ、と思っている人もいるかもしれないが、物語だって単純なものならば誰にでも考えることができる。
複雑な物語を考えるのが難しいように、巧みに考えたり、面白く考えたりすることも難しいのだ。
ある見解を持つ、というのはひとつのテクニックであり、それこそがエッセイストの腕の見せ所なのだ。

オレは、小説を書くことは当分ないと思う。


2001 5/24

ただ好きなことをやるというただそれだけのために、どれだけ強い心を持たなければいけないか。

世の中には人が楽しくやっているのがどうにも許せないというくそしみったれたうんこ野郎が大勢いる。
人のチャレンジを邪魔しようとする奴が、ものすごくたくさんいる。
人の夢を笑ったり、バカにしたり、全力で足を引っ張ったりする奴が、佃煮にして100グラム10円で売れるくらいうじゃうじゃいる。

おい、読者。
くじけるなよ。
あきらめるなよ。
あんな奴等に振り回されて、自分を見失ったりすんなよ。
心配なんて意地悪のすることだ。
挑戦は尊い。
味方のふりをしながら、君がくじけてしまうのを今か今かと待ち望んでいる奴を、君はきちんと見極めることだ。

今の、今の、今現在の、そのままの、ハッピーな君が、今の君が、未来の君でなく、可能性でなく、過去でなく、やったことでなく、やられたことでなく、結果でなく、実績でなく、経験でなく、今の君が、裸の君が、生きている君が、大切なんだ。

つぶされそうになるのは君が生きているからだ。
奴等が死んでしまっているからだ。
生きているということは、君が今はっきりと生きているということは、とても素敵で、尊いことだ。

Mさん。
オレはあなたを応援するよ。


2001 5/25

ただ好きなことをやるというただそれだけのために、どれだけ強い心を持たなければいけないか。

世の中には人が楽しくやっているのがどうにも許せないというくそしみったれたうんこ野郎が大勢いる。
人のチャレンジを邪魔しようとする奴が、ものすごくたくさんいる。
人の夢を笑ったり、バカにしたり、全力で足を引っ張ったりする奴が、佃煮にして100グラム10円で売れるくらいうじゃうじゃいる。

おい、読者。
くじけるなよ。
あきらめるなよ。
あんな奴等に振り回されて、自分を見失ったりすんなよ。
心配なんて意地悪のすることだ。
挑戦は尊い。
味方のふりをしながら、君がくじけてしまうのを今か今かと待ち望んでいる奴を、君はきちんと見極めることだ。

今の、今の、今現在の、そのままの、ハッピーな君が、今の君が、未来の君でなく、可能性でなく、過去でなく、やったことでなく、やられたことでなく、結果でなく、実績でなく、経験でなく、今の君が、裸の君が、生きている君が、大切なんだ。

つぶされそうになるのは君が生きているからだ。
奴等が死んでしまっているからだ。
生きているということは、君が今はっきりと生きているということは、とても素敵で、尊いことだ。

昨日と同じ文章だが、なんだかもっかい言いたかったった。
あきらめない人は美しい。


2001 5/27

26日はメトロポリスという映画を見に行っていた。
とても期待していたのだが、いまいちだった。
酒を飲んで、気持ちよく寝た。

今日はスタジオに入って練習をした。
高校の先輩の横田さんがドラムを叩いてくれた。
やっぱドラムがあると違うな。
7月のライブでは叩いてくれよ、と言うとOKしてくれた。

キワム、やっぱ高校の頃に比べるとおっさんになったな。
と言うので、どこが、と聞くと、腹が、と即答されてしまった。
スタジオでは暑かったので裸になっていたのだ。
そういやずいぶんぜい肉がついちゃったな。
あの頃は体重57キロとかそれくらいだったっけ。
もっとシュッとした裸だった。
うーむ。
やっぱ少し戻さなきゃな。


2001 5/28

7月に沖縄に帰ろうかと思っている。
何年ぶりだろう。

たぶんオレは確かめたいのだと思う。

何だか、今戻っておかないと、先に進めないような気がするんだ。


2001 5/29

涼しい一日だった。
ひんやりとした風を顔に受けながら、オレはぼんやりと空を眺めていた。

かっこいいタバコの吸い方を研究している。
男前にきめようとすればするほどオカマみたいになる。
けっこう難しい。


2001 5/30

ある晴れた 昼さがり
いちばへ 続く道
荷馬車が ゴトゴト
子牛を 乗せてゆく
かわいい子牛 売られて行くよ
悲しそうなひとみで 見ているよ
ドナ ドナ ドナ ドナ
子牛を 乗せて
ドナ ドナ ドナ ドナ
荷馬車が ゆれる

青い空 そよぐ風
つばめが 飛びかう
荷馬車が いちばへ
子牛を 乗せて行く
もしもつばさが あったならば
楽しい牧場に 帰れるものを
ドナ ドナ ドナ ドナ
子牛を 乗せて
ドナ ドナ ドナ ドナ
荷馬車が ゆれる

なんていい歌なんだろう。
オレ、この歌好き。

風邪をひいたようだ。
少しだるい。


2001 5/31

春雨が降る。
霧雨だから、傘はささずに行こう。
薄目あけて空を見た。
光よりも、水がまぶしい。
どんてん。
曇天。
あの濡れて光ったアスファルトにほっぺたくっつけて、ずぶぬれになるまで動かずにいたら、きっと気持ち良いだろうな。
とかげみたいにぴかぴかに光って、冷たくぬれて。







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